奈川わかもん会議
人口600人の松本市奈川地区は少子高齢化、野生動物の畑被害、担い手不足などの数多くの課題をあげることもできます。しかし、それ以上の魅力を感じてこの地域に若者(わかもん)が移住をしてきています。新たな価値観を注ぎ、新たな動力として地域内に活気をもたらしています。そんな「さとやまな人」たちと焚き火をしながら意見交換会を行いました。
さとやまエネルギーは、福岡市に本部を置く「グリーンコープ生活協同組合連合会」との共同事業として「ながわ小水力発電所」を建設しました。(現在、試運転中でこれから本格運用していきます)グリーンコープさんは安心・安全な食品で「生命を育むたべもの」を組合員の方へ提供されています。自然エネルギーを組合員へ届けると共に奈川育ちの食品もお届けする事で、より一層奈川地区との関係性が増してきますし、そして、何よりも奈川の農と共にあるライフスタイルを訪れた組合員の方が魅力に感じた事。豊かな自然で育まれた美味しい食材に出会えたからこそ、41万人の組合員の方へ販売できる機会をいただけたと思います。
そして、これからの未来を担う奈川に住む若者たちにこれからの農業(職業以外の畑作業も)や地域資源の活用をテーマとしてお話を伺いました。
本日、お集りいただいたメンバーは、花を栽培している人、地域農業を支える法人で働く人、自然アクティビティのガイドをする人、子育てをしながら畑をする人、というような構成です。
山に囲まれた奈川は標高1200m程に位置し冷涼な地域ですので、人家のある集落よりも日当たりの良い場所に畑のエリアがあります。なので、地域外の方が奈川を車で通られても高い場所にある畑を見ることあまりできません。ですが、地域住民が通る畑への狭い道路を登っていくとそこには、四季で変化する豊かな畑と山の絶景がそこにはあります。そんな景色はそこに住む人だけが体験できる価値のようです。
畑には、サルやイノシシもやってきて、荒らしたりします。獣害防護柵を設けることも対策の一つですが、住民が減少するなか柵の機能を維持するための管理をこれからも継続していくのは現実的ではないと感じており、野生動物が食べないものや食用ではない植物(染料用)などを試験的に育てたり試行錯誤しながらやっていますという話をしてくれました。
移住してきた時から暮らしている家の1階部分は元は店舗であるため、そこを利用して新しいスタイルのお店を開きたいと思っている。奈川の産物を利用した食品や物販の販売、子育て世代のママがこどもを預かる事もできたりするママ主体のコミュニティスペース的な場所。昨年、地域内に唯一あった保育園が休園してしまいました。「保育園がない=子育てができない」という事ではない。そこにフォーカスしないで、自分たちのライフスタイルに即した子育て方法を実践していこうという前向きでワクワクする話も聞けました。
そんなたくさんのお話をお聞きし、私が思う所は、、
今の時代は、変化せざる負えないタイミングに来ていると思います。人口減少により、今までのやり方や仕組みではうまくいかない事がたくさん出てきています。それは、コロナ禍による都市生活も同じかもしれません。奈川に住む「わかもん」たちは、そこにある変化を受止め、新たな方法を探しだし、自分たちが気持ちが良く生活できるスタイルをつくっていく。悩みや葛藤を抱えながらも、しなやかなで力強い姿を見させてくれました。
奈川に暮らす「わかもん」にこれからも注目です!